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オランダで受けたカルチャーショック①人間関係と教育 Cultural Shock in Holland: Relationship and Education
20:37オランダ留学中に受けたカルチャーショックは、数知れず。
そのなかでも特に印象的だったのは、人間関係。
オランダでは、日本と異なり、厳しい上下関係というのが存在しない。
先生と生徒、親と子、友達同士、上司と部下・・。
人間関係にもいろいろな種類があるが、オランダでは、全体的に人間関係がとってもフラットだ。
学校に通い始めてまず驚いたのが、先生に対する生徒の態度が、日本のそれとは全く違うということ。
生徒だと思っていた人が、実は先生だった・・・ということもあったくらい。
私の受けていた授業の担当の先生が若かったという理由もあるのだけれど、その先生と生徒たちがあまりにも対等に議論していたので、まさか先生だとは思わなかった。
日本の大学にいるときは、先生という博識のある偉大なお方が、生徒を教育する、という一方的な構図になんの違和感も感じていなかった。
だがオランダでは、先生と生徒は、お互いに意見を言い合う、双方向性のあるインタラクティブな構図が当たり前だ。
生徒が先生の意見に反論するのも、もちろん当たり前。
そういう世界もあるのだと知ってから日本のことを思い返すと、日本の教育制度のなかで教育された生徒たちが、いかに受動的かということがよく分かる。
日本に帰国してから、うちの大学で学会のようなものがあったのだが、発表の後の質疑応答の時間に、手を挙げる生徒が、ほんとうにいない。これでもかっていうくらい、いないのだ。
正直、すごくがっかりした。
質問をしない、というのは発表者に対して、一番の無礼だと思う。
質問をするというのは、発表者に対する一番簡単な感謝と関心を示す方法であるというのに。
とにかく、私がここで言いたいことは、フラットな人間関係は、人間同士のインタラクション(対話)を促進させるということ。
実力に基づいた力関係は、組織のなかで有効に機能するだろうが、年齢に基づいたヘンな上下関係は、何も生まないということ。
大事なのは、何がベストなアイデアか、何が正しい意見かということであって、誰が言ったかということではない。
日本の社会構造は、年功序列的な概念のせいで、誰が言ったかを重視する不毛な考えを払拭できていない。
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