オランダの食。

オランダは食に乏しい国だと言われている。
大いに同意である。首を縦にぶんぶんふりたくなるくらい激しく同意。

今日はそんなオランダの食について思うところを書いてみる。



おそらくオランダ以外の国で、「オランダ料理」なるものを耳にする、ましてや口にする機会はまずないだろう。
それもそのはず、オランダ料理は、控えめに言っても、毎日食べたいと思えるほど魅力的ではないのだ。笑

これは食べるのが大好きな私にとってはなかなかにつらいことだった。
何度も何度も、日本の（ほんとうに普通の）食べものを夢見た。

まず、オランダ料理にはそんなに名物といえるようなものがない。
留学中、いろんなオランダ人に、「オランダ料理ってぶっちゃけ好きなの？」と聞いてみたが、「好きだ」と答えた人は、一人もいなかった。悲しすぎる！
人それぞれに「母親はいつもオランダの家庭料理をつくっていたけど、正直あれは毎日食べたいものじゃないね」だとか、「シンプルすぎて、つまんない」とか、「自炊するなら絶対パスタのほうが簡単だしおいしい。」と、不評極まりない。

それでもオランダに来たからにはなにかオランダらしいものを食べたいと思っていた私は、「なにかおすすめのオランダ料理はない？」と聞いてみるも、みんな首を傾げたまま数秒かたまってしまう。

まあ、そんなオランダ料理だけれども、一度食べてみるぶんには支障ない（失礼だな）ものもいくつかある。
今日はそのうちのひとつ、スタンポットについて紹介しようと思う。

スタンポット

大量のじゃがいもが野菜と一緒にマッシュされたもの。だいたいでっかいソーセージも添えてある。
オランダの最も代表的な伝統料理のひとつだと言っていいと思う。
そして私がオランダ料理と聞いてまっさきにイメージするのも、このスタンポットだ。
野菜と一緒につぶされた、いも。味付けは基本てきに塩だけだと思う。
基本的にポテトとソーセージは仲の良い組み合わせだから、発想としては問題ない。
とってもシンプルで、まちがいなくおなかがいもいもしたものでいっぱいになる料理。
満腹になりたい育ち盛りの食いしん坊さんにはおすすめのひと品。
そしてもし私がオランダに初めて旅行する人に何を食べたらいいか聞かれたら、薦める料理だとも思う。

でもね、とにかくシンプルすぎる。そしていもすぎる。
野菜と一緒につぶされた、いも。
食べれど食べれど、いもいもいも。
ただただ、いもを感じる。

そう、彼らの主食は、いもなのである。
私はヨーロッパのいろんな国の料理を食べてひとつ確信したことがある。
それは、「じゃがいもが主食の国の料理には期待をもってはならない」ということ。
あくまで私個人の主観であるが、食を非常に大切にする日本人にとって、ポテトの国の料理は、シンプルすぎるし、きっと魅力的ではないと思う。

ごめんね、オランダ。。
オランダはとっても自由でおもしろい素敵な国なんだけど、しいて残念なところをあげるとすれば、それは「食文化の乏しさ」だね。