留学が何を変えるか How Studying Abroad Changes Your Personality

18:33


帰国後、よく聞かれる質問に、「留学して、自分が変わったと思う?」というのがある。
聞かれるたびに、自問する。たしかに今の私は留学する前の私とは違って、ひとまわりもふたまわりも成長した感じがするけれど、いったい何が変わったのだろうと。

細かい変化もあわせると、ものすごくたくさんあるだろうから、今日はこの3つにしぼって書いていこうと思う。とくに、おそらく留学経験のあるほとんどの人に共通するであろう変化について。




1. インターナショナルなコミュニケーション感覚が身につく
2. 新しい体験に対してオープンなマインドが身につく
3. 日本の素晴らしさを再発見する


1. インターナショナルなコミュニケーションの感覚が身につく
これはたんに、語学力が上がる、という意味だけではない。
留学して外国語が聞けて、話せるようになるというのは、当然のこと。
ここでいいたいのは、留学していろんな国のいろんな人と交流することで、海外のいろんな人々とどんなふうにコミュニケーションをとったらいいかのコツが自然と分かるようになる、ということである。

これは実際に海外に滞在して、いろんな人と話してみないと分からないことだけれど、西洋の人たちのコミュニケーションの感じは、日本人のそれとは、ずいぶんと違う。
初めて出会ってから仲良くなるまでのスピードだったり、友達との距離感だったり、日常的なおしゃべりの話題となるテーマの深さ/大きさだったり、スキンシップの気軽さだったり、そういう感覚が、日本と西欧では、大きく違う。
これは、けっこう大きなカルチャーショックだった。

そしてこういう感覚は、日本でどれだけ外国語を勉強していても、とうてい分からない感覚である。
何度も何度も彼ら流のコミュニケーションの文化(仲良くなるまでの流れとか)を体験するうちに、だんだんと身についてくる感覚なのである。
そして、一度このインターナショナルなコミュニケーションのコツさえ掴めば、多少英語が下手でも、すぐに外国の人と仲良くなれるようになる。
これは、本当に、留学してよかったと思う変化のひとつである。

2. 新しい体験に対してオープンなマインドが身につく
なんでもトライしてみる前向きな勢い。
これは、留学生に与えられた特権のようなものだと私は思っている。
新しい国での新しい生活。
なにもかもが目新しくて、みたことないものや、たべたことのないものなど、手当たりしだいにトライできるチャンスに溢れている。

住み始めたばかりの留学生には、日々いろんな新情報が舞い込んでくる。
現地の友達が「○○っていう遊園地、人気なんだけど行ったことある?」と聞いてきたら。きっと留学生のあなたは「ないない!初めて聞いた!どんなとこなの?つれてって!」と言って、その友達に案内してもらえるだろう。
友達とごはんを食べにいったときも、私はオランダ語が読めなかったので、メニューの端から端まで、ともだちに英語に訳して説明してもらっていた。そしてその中で、友達のおすすめか、いちばん馴染みのないものをいつも注文していた。

留学生には、新しい世界を開くいくつものドアが、日常のあちこちに存在している。
それらを進んで開けていくか、自分がすでに知っているものだけに閉じこもるかは、もちろん人それぞれだ。
けれど、一般的に考えて、多くの留学生には、そういう新しい体験に対する旺盛な好奇心と、なんでも挑戦してみる勢いがある。
私も以前は、食わず嫌いで、無難な選択肢しか選ばないような人間だった。
けれど、留学してから、新しい出会いや経験に対してとてもオープンになった。

知らなかったことを知ることはとっても楽しい。
自分の「好き」の幅がどんどん広がっていく。
こころをオープンにしているだけで、いろんなものに出会えるようになるんだ。
それって、人生の醍醐味だと思うし、とっても素晴らしいことだよね。

3. 日本の素晴らしさを再発見する
日本は、思っていた以上に、素晴らしい国だ。
留学経験のある日本人ならだれでも痛感したことじゃないだろうか。

「これからはグローバルな時代。このまま日本に残っていちゃだめだ、世界を見なくては。」と思って決意した留学。
ヨーロッパにあこがれて、日本なんてちっぽけでたいしたことのないフツーの国だと思っていた。
でも、海外に住んでみると、不思議。
折にふれて、日本って本当はやっぱり、すごい国なんだなと、日本を見直す。
オランダに住んで、オランダやヨーロッパを好きになることはあっても、日本の価値を再発見することになるとは、留学する前の私は予想だにしていなかった。

でも、実際の生活は、「ああ〜日本だったらこんなふうではないのに!」と思うことばかり。
24時間あいているコンビニ、時間通りに来る電車、親切で丁寧な接客、白くてもちもちのお米、あったかいお風呂、春になると街を覆う桜...などなど。

それから私がいつもびっくりしていたこと。
それは、初めて出会う人に、出身を聞かれて「日本だよ」と答えたときの彼らの反応!
「あんな遠いところから!」という声はまあ想定内だけれど、
「めちゃくちゃクールだね!」とか、
「僕が死ぬまでに一度は行ってみたい夢の国!」とか、
「日本のアニメ大好き!」とかとか。
私の「いや〜、日本なんてアジアのはしっこにある国。昔は経済大国だったけどいまはパッとしないし、みんな興味ないよね〜」という後ろ向きな日本へのイメージに反して、日本にたいする彼らの好感度は、かなり、よい。

とくに目を見張るのが、アニメオタクの多さ・・・!!
いや、私のまわりがたまたまそうだったのかもしれないけれど、
けっこうな頻度で日本のアニメやゲームが大好きな人に出会ったぞ。。
私はそんなにアニメに詳しいほうじゃないので、
彼らが嬉しそうに挙げてくるアニメはわからなかったけど、
でも、どんなものあれ、母国日本のカルチャーがヨーロッパのたくさんの人に愛されているというのは、気持ちのいいものだ。
そして、アニメやゲームを通して、日本の他の文化や歴史に興味をもってくれる人もかなりいる。
そう、日本のアニメとゲームは、日々世界中に日本のファンを増やし続けているのだ。
日本人よ、日本のアニメとゲームの力を「サブカル」だなんて言葉で軽視してはならないよ。
実際にそうやって日本が大好きになって、お金をためて日本に旅行したり移住したりする人が現にたくさんいるんだぜ。

話がそれそうなのでこのへんにしておくけれど、とにかく日本がどんなふうに素晴らしい国かってことは、外国に行ってみないと分からない。
外から見た日本というのも、外に出てみてはじめてわかること。

日本は本当に濃いアイデンティティを持った国だ。
世界中のどこを探しても、日本みたいな国は見つからない。
私は、留学してから、日本人であることを誇りに思うようになったし、日本のよさをもっといろんな人に知ってもらいたいと思うようになった。



以上、3点に分けて、留学してどんなふうに変われるか、について説明した。
もちろん私の体験から語ったことだけど、これからももっとたくさんの日本人が世界に羽ばたいて新しい人生の気づきを得て欲しいなと願う。

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About me

日本人大学生。オランダに一年間の交換留学。2014年に日本に帰国。
留学先での経験を思い出しながら書き出しています。留学後の雑記です。日本もいいけど、オランダに帰りたい。
I'm a Japanese student who has lived in the Netherlands as an exchange student for one year. I will write about what I experienced there and how my life was going there, and what I have thought since I came back to Japan. I love Japan, but I still miss my life in Europe.

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